平成12年度 長期研修員 研究主題と要旨

分野

研究分野

研究主題

教育経営 学校経営 特色ある学校づくり
新学習指導要領は、各学校がゆとりの中で創意工夫を生かしながら特色ある教育活動を展開し、児童生徒に「生きる力」を育成することを基本的なねらいとしている。この趣旨をふまえると、「特色ある学校づくり」のためには、「総合的な学習の時間」の展開が重要な意味をもつと考える。そして、それは「学び」の変革を目指すものでもあることが分かった。
新しい時代に対応した教育課程の在り方
「ゆとり」の中で [生きる力]をはぐくむこれからの学校像やそれを実現する教育内容の改善の視点を中央教育審議会答申等から明らかにした。そして、それを実践する教育課程編成の在り方について、新学習指導要領や先進校の実践事例等を基礎としながら、より具体的に、年間指導計画の作成の仕方や授業の工夫改善等の観点から考えた。
豊かな心の育成に視点をおいた学校づくり
−教育目標を達成する指導体制と評価の工夫−
平成10年の中央教育審議会答申は、子どもに豊かな心を育てることの重要性を提言した。今、豊かな心の育成は、多くの学校が教育目標に掲げている。本研究では、このような教育目標を達成するための、ピースメソッドを用いた学校づくりについて考察した。
教職研修 初任者研修の充実と工夫
社会の急激な進展により、教育観や学校観、授業観は変化しつつある。これに伴い、教員に求められる資質能力や役割も変わってきている。そこでこうした変化に主体的に対応できる教員の資質能力や役割と初任者研修の在り方について考察した。その結果、初任者研修においては、初任者が学校で抱えている課題に直結したより実践的な研修を行うことが重要であると分かった。
初任者研修を効果的に進めるための工夫
初任者研修の趣旨を再確認しながら、平成12年度の教育研究所研修講座 − えんパワメントタイムセミナー“2000”−(小学校・中学校)に参加し、参加・体験型研修や校種間交流など、初任者が実 践力と使命感を培い、主体的、効果的な研修を進めるための工夫について考察した。また、校内での初任者研修の在り方についても研究を深めた。
教科・領域 社会科 児童の自己学習力を高める指導と評価
本研究は、社会科の学習を通して子どもの自己学習力を高めようとしたものである。そのためには、指導と評価を一体化することが重要であると考えた。子どもが自ら追究できるように、身近にある地域の学習材を開発し、問題解決的な学習過程を工夫するとともに、指導に生かす評価の在り方について研究した。
算数科 生きる力をはぐくむ算数科の学習指導の工夫
算数科にかかわる「子どもの意識」や「特性」を明らかにし、子どもたちが、学習内容の生活における有用性やその数理的な処理のおもしろさに気付き、さらに生きる力をはぐくむことができるような学習指導の工夫について研究をした。特に、高学年で子どもたちが理解しにくいと思われる「速さ・割合・円の面積」での授業展開例について工夫した。
理科 個性や創造性の伸長を図る選択理科の学習指導
生徒にとって魅力ある選択理科の学習内容について考察し、個性と創造性を伸ばす学習指導の工夫と、学習指導計画及び生徒の探究活動例の作成を行った。そして、生徒が興味・関心をもつような学習内容を明らかにし、生徒自身が主体的に観察・実験の計画にかかわり、得られた結果を基に、更に探究活動を進める学習指導について研究した。
特別活動 よりよい人間関係の構築を目指した学級経営
子どもたちの意識や考え方の変化で学級経営の困難化が指摘されている。そこで、学級における人間関係づくりが学級経営のポイントであると考えた。そして、カウンセリングマインドを根底にして、構成的グループ・エンカウンターやソーシャルスキルトレーニングを取り入れた「聞(聴)き合い」活動を中心とする、よりよい人間関係を育てる学級づくりの進め方について研究し、その年間指導計画案などを作成した。
総合的な学習の時間 豊かな人間性をはぐくむ国際理解の指導
近年の国際化の進展をふまえ、学校においては、子どもたちの基礎的・実践的コミュニケーション能力の一層の育成が望まれている。新学習指導要領では「総合的な学習の時間」において、その課題の一つとして例示されている国際理解に関する学習の一環としての外国語会話を行うことができると記されている。小学校における外国語会話の有効性や、先行研究事例を研究することにより、国際社会に主体的に対応できる能力・資質の育成をねらいとした、小学校段階にふさわしい英会話学習の指導の在り方について考察した。
生きる力をはぐくむ総合的な学習の時間の創造
総合的な学習の時間において、「吉野川探検隊」の単元を設定し、問題解決的な学習を通して、生きる力をはぐくんでいこうと考えた。そのために、川の生き物を調べたり、地域の人から教わったりする体験的な活動を取り入れ、子ども自ら学習課題を見つけていけるように考えた。また、調べ学習を通して得た学習の成果をまとめ、他者に伝達するための表現力を付けるとともに、考えを深めるための話合い活動の指導法について考察した。
自分さがしの旅につながる総合的な学習の時間
本研究では、生徒が自分自身の個性や適性、能力等の理解につとめ、主体的に自分の夢や希望の実現を目指す生き方を考え、自己実現を図ることができるような総合的な学習の時間の在り方について考察した。そして、社会体験的な学習や問題解決的な学習を取り入れた具体的な展開例を示した。
教育一般 家庭教育 子どもの心の育成にかかわる学校と家庭の連携
−養護教諭から保護者へのアプローチ−
人間関係の土台になる親子関係は子どもの成長に大きな影響を与えているが、近年これがとても不安定な状態にある。親子関係をより確かなものにするためには、保護者が自らの家庭教育について振り返る機会をもつことが大切である。養護教諭の立場からその一手法として、子どもの心をどのように受け止め、親の心をどう伝えるか、このことについて考察した。
障害児教育 通常の学級に在籍する学習障害児等への支援
学習障害児等の実態を把握するためのチェックリストと個々の認知面での特性に応じた指導のための「学力のつまずきと認知面との関連表」を作成した。それを活用し、A児の認知面での特性をとらえ、指導仮説を立てるとともに、通常の学級での指導方法について考察した。さらに、学習障害児等への校内支援体制の在り方について研究した。
障害児への音楽療法の活用の在り方
学校生活において、自閉性障害児が生き生きと活動し、仲間と楽しく学習するためには、その児童の特性を十分把握し、学習上の困難さやつまずきの改善に努めるための教育的支援の在り方を考える必要がある。私の担当する音楽科の授業においては、音楽療法の特性を有効に活用することが、自閉性障害児への教育的支援の一方策となると考え、本研究を行った。
知的障害養護学校における交流教育の在り方
ノーマライゼーションの理念に基づいた社会の実現のために、障害の有無にかかわらずすべての子どもが地域の中で共に育ち、共に生きることが重視されるようになってきた。居住地域から離れた障害児教育諸学校で学習している子どもにとって、地域とのかかわりが重要な課題となっている。本研 究では、知的障害養護学校における取組を基に、子どもの自立に向けて、地域の中で生きる基盤をつくる交流教育の在り方を探った。
教育相談 教育相談を生かした子どもへの支援
−自己肯定感をはぐくむために−
対人関係の悩みを抱える子どもは、自分に対して否定的な感情をもつ場合が少なくない。そのような子どもが自分を肯定できるにはどうしたらよいか、来所相談に訪れた思春期の2人の子どもの事例を通して検討した。その結果、まず子どもの心的事実に耳を傾け、受け入れることが大切であると分かった。さらに、学校でのカウンセリングマインドを生かした子どもへの支援の在り方についても考察した。
教育相談の機能を生かした子どもへの支援
−子どもの心に寄り添う教育相談体制づくりに向けて−
思春期不登校生徒との教育相談を通して、学校における教育相談の機能を生かした指導援助(教育相談体制づくり)の在り方について研究した。その結果、@思春期の発達理解を図ることが大切である、A子どもとの信頼関係が築かれていく中で、子ども自身に成長エネルギーが高まっていく、B不登校の回復にはあるまとまった段階が見られる、C教育相談体制づくりには子どもの心に寄り添うことが大切である、という4点が見いだされた。
教育相談の考え方を生かした子どもへの支援
−子どもの心と言葉に寄り添って−
来所する思春期の子どもたちの心を和らげ、社会(学校)へ出ていくことを促していくにはどのように支援していけばよいのかについて相談事例を通して研究した。子どもは、信頼関係の中で交わされる言語(非言語)によって心を動かし、自分に漠然と重くのしかかっているものや、こだわり、枠などを話す(放す)ことによって、“気付き”をもち、“変容”することができるということが分かった。
教育相談の機能を生かした保健室からの支援
成長過程において、心と体の育ちに深くかかわるのが養護教諭である。本研究では、養護教諭の立場から、保健室を訪れる不登校傾向を示す子どもに対して、その支援の在り方を検討した。その結果、教室への再登校までに四つの段階(リレーションづくり・保健室への導入・保健室登校・教室への再登校)が見いだされ、どの段階においても子どもとの信頼関係の構築を主眼としたかかわりの重要性が示唆された。
情報教育 豊かな国際感覚を育てるコンピュータの活用
−外国語教育における国際交流の取組−
外国語学習において生徒の意欲を高めるには、外国の文化や生活に触れさせることが有効である。通常そうした機会を得ることは難しいため、数名の生徒の協力を得ながら海外の生徒や教員とインターネットなどで交流し、コンピュータを活用した国際交流の在り方について研究した。また、こうした交流で得た情報を基に、外国の文化や生活を紹介するマルチメディア教材を制作し、授業における活用方法についても研究した。
小学校におけるコンピュータの活用
高度情報化社会の進展に伴って、子どもたちにも時代に対応した情報活用能力を身に付けさせることが求められている。本研究では、情報活用能力の育成の一つとして、特に子どもたちが情報発信できるための指導に取り組んだ。そのための活動の場として学級Webページづくりを考え、情報発信の在り方について検討するとともに、その活用方法を考察した。
豊かな国際感覚を育てる社会科の授業の在り方
情報機器を積極的に活用することによって、教育活動に新たな可能性が生まれ、生徒を中心としたより主体的な学習の展開を図ることができる。そこで、インターネット上のWebページやプレゼンテーションソフトを活用した、生徒の興味・関心や学習意欲を高め、豊かな国際感覚を育てる社会科の授業の在り方について考察した。
国語教育におけるインターネットの活用
−校内LANの効果的な利用−
国語科の文字言語表現の学習においては、文章の読み手から、適切なフィードバックを得ることが学習意欲の向上につながる。そこで、生徒の作文をクラス内で相互に鑑賞し批評をするため、校内LANを活用した作文データベースを試作した。さらに作文データベースや情報通信ネットワークを用いた学習指導の展開について研究した。

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