平成12年度 所員 研究主題と要旨

分野

研究分野

研究主題

教育経営 教職研修 教員研修の在り方
−教員研修の見直しと校内研修との連携−
教員の資質向上を図るためには、受講者の教育研究所の研修講座(以下研修講座という)に対する 希望をふまえ、受講者が主体的に参加できる研修講座を開設するとともに、研修講座と校内研修との 有機的な連携を図ることが大切であることが分かった。
学校事務 学校事務職員の資質向上のために
 −新規採用学校事務職員の研修−
新規採用学校事務職員が職務を円滑に遂行するためには、@教育研究所、A市町村教育委員会、B 勤務校、が連携をとり研修を行うことが大切である。これまであまり実施されていないABについて 考察した。Aでは、職務遂行時期に並行して、教育委員会職員や地元先輩事務職員を講師として実施 する。Bでは、勤務校の特色や児童生徒理解を、学校長等が講師として実施するなどのOJT(職場 内研修)が肝要である。
教科・領域 国語科 国語科における自ら学び自ら考える力の育成
 −高等学校国語科の学習の創造−
国語科において、「自ら学び自ら考える力」を育成するために、問題解決的な学習を通して、論 理的思考力を高め、表現力を培っていく学習活動とその評価の在り方について考察した。
社会・地理歴史科 近世江戸期における手習塾の研究
−模倣と温習による伝統的自己学習文化の深層に関する一試論−
17世紀後半以降の出版事情の隆盛は、印刷された情報を享受する層の厚さを背景としており、庶民 の文化的ポテンシャルの高さを示すものである。これを支えた近世教育文化の本質とその在り方を考 察した。その結果、手習塾の教育理念とその水準の高さ並びに伝統的な学びの形態としての自己学習 文化の深層が分かった。
算数・数学科 創造性の基礎を培う学習指導
算数・数学科における「創造性の基礎」とは、どのような力なのか、学習指導要領を基に検討し、 「創造性の基礎」を培うことにつながる学習指導について考察した。
理科 問題解決能力を高める理科の学習指導
−燃料電池の教材化 PartV−
環境教育の重要性が叫ばれる中、エネルギーや省資源などの環境問題にかかわりが大きい水素−酸 素燃料電池を、問題解決能力を高める探究活動や課題研究の教材として取り上げた。特に、メタノー ルを改質せず、解離している水素を直接利用する燃料電池の教材化に向けて、用いるメタノールの濃 度や電極等について検討した。また、燃料電池を用いた学習指導計画の位置付けについても検討した。
生活科 生きる力をはぐくむ生活科学習指導の在り方
−身近な社会や自然、人に繰り返しかかわる活動−
生活科が新設され10年余り経った今、生活科の現状と課題について明らかにし、新しい生活科の学 習において、児童が身近な社会や自然、人と繰り返しかかわる意義や、それを実践する段階での教員 の役割、単元構成の在り方などを考察した。
体育・保健体育科 自発性・自主性を育てる体育科の学習指導
新しい学習指導要領において、体育科では、生涯体育・スポーツを視野に入れた「運動に親しむ資 質や能力の育成」が目標に示された。これからの体育では、選択制授業や課題解決学習(めあて学  習)を充実・発展させることで、子どもたちの自発性・自主性を育てることが求められている。その ためには、教員のきめの細かい配慮と適切な指導が必要であり、その役割は重要である。
音楽科 音楽活動の楽しさを体験する歌唱指導の工夫
現在主流の「頭声的な発声」の実際から、新学習指導要領に示されている「曲種に応じた発声」ま でを視野に入れ、新しい歌唱指導の実際を探った。自分を表現することが苦手な今の子どもたちに、 声を出すことで自分を表現する糸口を見つけられないか。今回は、日本の伝統音楽「能」の「謡」を 中心に、その指導法を探った。
美術科 造形教育におけるマルチメディアの活用
−発想が広がる動画やアニメーションの制作−
中学校の新学習指導要領に示されている、映像メディアによる表現のための題材開発を行った。こ れは、粘土などの素材でつくった造形物を少しずつ変化させながら、ディジタルカメラで撮影した画 像をパソコンで処理し動画やアニメーションにするというもので、ストーリーを展開する際に発想の 広がりが期待できるとともに、これまでの一枚の絵では表せなかった表現が可能になると考えた。
外国語科 A Way to Improve Students' Communicative Competence Effectively
I clarified the meaning of the term, ‘communicative’ from the point of communicative approach. A nd also I identified the practical communicative competence in the Course of Study. In order to impr ove students' communicative competence I studied a communicative activity using the role-play met hod.
道徳 総合的な学習の時間を進めるポイント
−「活動あって学びなし」とならないために−
総合的な学習の時間について、学校現場で陥りやすい進め方を振り返り、その克服のためのポイン トを考察した。総合的な学習の時間を進めるに当たっては、主体性と課題性の学びの質の違い、教員 の主体性と子どもの主体性の違い、子どもの目的と教員のねらいの違い、家庭との連携の在り方など について発想を転換しながら取り組むことが大切である。
教育一般 障害児教育 新学習指導要領と障害児教育の課題
21世紀を主体的に生きることができる国民の育成を期するという観点にたち、各学校がゆとりの中 で特色ある教育を展開し、自ら学び自ら考えるなど「生きる力」を育成することを基本に学習指導要 領が改訂された。本研究では学習指導要領等の変遷をたどり、新学習指導要領のキーワードを概括す るとともに、「21世紀の特殊教育の在り方について」の最終報告等に基づき今後の方向性について研 究した。
臨床動作法を用いた吃音児の指導
吃音児の背景には、情緒の不安定や過度の緊張がみられることが多い。そこで情緒の不安定や過度 の緊張の改善を図りたいと考え、吃音児に対して臨床動作法の「タテ系動作訓練」の技法を用いた効 果的な指導の在り方について考察した。
学習障害児等のソーシャルスキル
−個々の認知能力の特性に応じた集団指導の在り方−
ソーシャルスキルについて、学習障害児等はその習得に困難さを示すことが多いと言われる。そこ で、ソーシャルスキルについて分析し、スキルを向上させるため、集団活動での指導の在り方につい て検討した。その際、一人一人の認知能力の特性(強い・弱い)、とりわけ聴覚・視覚認知特性に焦 点をあて、強い認知能力の特性を活用しながらソーシャルスキルを向上させる指導方法について考察 した。
同和教育 同和教育の普遍化を目指す研究
−高等学校における考察を中心に−
これからの高等学校において展開されるべき道徳教育の課題は、これまで本県で取り組まれてきた 同和教育の課題でもある。その意味では、同和教育と道徳教育のどちらも重要視しながら生徒により よい人間としての在り方生き方を培っていかなければならない。そうすることで、同和教育の普遍化 を図っていくことが大切であると分かった。
教育相談 学級がうまく機能しない状況「いわゆる学級崩壊」問題への対応
「いわゆる学級崩壊」問題の対応に向けて、友人間に働く「ピアプレッシャー」の視点から検討し、 学級の資源(リソース)である「友人」との関係づくりを生かした指導の必要性を論じた。若干、教 員の指導態度にも触れた。
不登校児童生徒への支援の在り方
−適応指導教室における体験的活動の在り方−
適応指導教室における不登校児童生徒の体験的活動の在り方について、近隣適応指導教室と合同で ミニ交流会、土笛づくり、宿泊体験学習、木工工作、理科実験等の活動を行いながら探った。多様な 内容が、様々な状態にある不登校の子どもの参加や活躍を可能にすること、継続的な交流が子どもの 対人関係の改善に役立つことが分かった。
生徒指導 一人一人を生かす生徒指導の在り方
−学校生活の在り方を改善する指導の工夫−
学校教育は、集団での活動や生活を基本とするものであり、学級や学校での児童生徒相互の人間関 係の在り方は、児童生徒の健全な成長と深くかかわってくる。特別活動は、集団や社会の一員として よりよい生活を築くための自主的、実践的な学習の場である。好ましい人間関係を基礎に豊かな集団 生活が営まれるよう、生徒指導の中核的な時間として、その指導の工夫が必要となる。
視聴覚教育 県内の自然に関する映像資料の活用
−県内に棲む野鳥−
県内に棲む野鳥の姿を追ったビデオ教材は、視聴することで理解と認識を促すことが期待できる。 しかし、この教材を個人が視聴するだけでなく、学校をはじめ様々な生涯学習団体などで視聴する場 合は、指導者は事前にこの教材の内容を知り、分析しておく必要がある。そこで、こうしたビデオ教 材をより活用しやすくするためのデータベース化に取り組んだ。
「総合的な学習の時間」を見据えた番組制作
自ら学び、考える力の育成をねらいの一つとして設定された「総合的な学習の時間」では、国際理 解、情報、環境、福祉などの横断的・総合的な課題、生徒の興味・関心に基づく課題、地域や学校の 特色に応じた課題などについて学習することとしている。そこで、「福祉」に焦点を絞り「総合的な 学習の時間」の参考資料ともなるビデオ番組の制作に取り組んだ。
奈良の文化を英語で紹介した映像資料の活用
−奈良の伝統・文化を世界に発信するために−
教育研究所では、本県の美しい自然、豊かな歴史・文化遺産などを英語で紹介する番組「英語で話 そう フォーカスオン なら」を制作している。これは、県民の英語学習の教材として活用したり、英 語で奈良を紹介することで世界の人々との交流に活用したりすることなどを目的に制作しているもの である。そこで、この番組の具体的な活用の仕方について考察する。
郷土の歴史を題材にした放送番組の活用
生き生きとした日本史学習の創造に向けて、「私の日本史」という視点から郷土学習の意義と可能 性を考察し、教育研究所が制作している生涯学習放送番組「大和路の文化財」及び「たのしい奈良の 歴史」の活用について研究した。
情報教育 Webページを用いた教育情報の発信について
全国の教育センター等で開設されているWebページを調査し、教育情報発信のための技術やコンテ ンツを探りながら、Webページを利用した情報発信の在り方について考察した。また、従来の教育情 報に関するアンケート調査をWebページ上でリアルタイムに処理するためのシステムを開発し、その 調査結果を提供する方法についても考察した。

もどる