平成12年度 奈良県教育委員会指定研究員 研究主題と要旨

分野

研究分野

研究主題

教育経営 学校経営 生きる力をはぐくむ学校経営
−校内研修を通して学校教育を活性化させる方策−
学校教育を活性化させる校内研修の方策について検討した。校内研修を進めるに当たっては、教育目標と児童の実態を基にした研究主題の設定、仮説の設定・検証を重視した授業研究など実践的な研修の実施が重要である。それに加えて、日常の授業を通した継続的な研究活動の実践と、教員の研修意欲を高める学校経営を推進することが、学校教育の活性化につながることが分かった。
学校経営に主体的に参画する学校事務
−文書事務から旅費事務への系統的なシステムの開発を目指して−
文書受付時に入力したデータで旅行命令簿や旅費請求書を作成したいと考え、文書受付事務と旅費関係事務を系統的に事務処理できるシステムの開発を目指した。そして、コンピュータを活かし、迅速で正確な事務処理を行うこと、さらに、情報公開制度を見据えた文書事務の検討を進めることが、教職員との連携を深め、学校経営に主体的に参画していく一方策であると再確認した。
学校経営に主体的に参画する学校事務
−保護者負担軽減を図るための学校予算の在り方を探る−
開かれた学校づくりや保護者・地域住民への学校の説明責任が求められる中、教育活動の裏付けとなる学校予算の在り方を検討することで、保護者負担軽減を考える契機となった。また、学校徴収金の適正な取扱いについて学校全体で共通理解することにより、学校組織における事務職員の役割や教職員間の連携についても再認識できた。
教科・領域 国語科 伝え合う力をはぐくむ学習指導
−職場体験の思いを語ろう−
自分の思いを適切な言葉で表現したり、相手の思いを受けとめて感想や意見をもったりすることを目的に、伝え合う力を高める研究を行った。総合的な学習の時間に取り組んだ職場体験学習で得られた各自の思いを、漢字1文字か2文字で色紙に表現しグループの中で伝え合った。職場体験学習の思いを語ることで、伝えたいという意欲が高まり、共感できる部分も多く、積極的に学習に取り組むことができた。
伝え合う力をはぐくむ学習指導
−本のおすすめポイントを書くことを通して−
高等学校第1学年の現代文の授業において、新書を月1冊読んだ後、その本の「おすすめポイント」を提出させるとともに、「おすめめポイント」について自己評価し、また他の生徒の「おすすめポイント」を読んで「何を伝えたかったと読み取ることができるか」を書かせ、互いに交換して評価させた。この取組は、読んだ文章の魅力を端的に伝える力を養い、また伝えたい趣旨を的確に読みとる力を養うことができた。
算数科 創造性の基礎を培う学習指導
−算数的活動を通して−
算数的活動を通して、「創造性の基礎」を培うことにつながる「多面的にものを見る力」や「論理的に考える力」を育てる学習指導法を追究した。5年生「図形の面積」の単元で、基本的な図形の面積をいろいろな方法で求め、それらの解決方法の共通性に着目することにより、基本的な図形の求積公式を導くという学習を展開した。既習事項を活用し、自らの力で創造的・発見的に考え、解決する取組ができた。
創造性の基礎を培う学習指導
−区分求積における抽象化を目指して−
公式を暗記して、機械的な計算ばかりになりがちな「数列の和」を指導する場面で、数学Uで学習した定積分と関連させ、「区分求積法」の指導を取り入れた。この方法が、数学の他の問題解決場面で大変有効な手段であることを、具体的な活動を通して体感できるような授業実践を行い、「創造性の基礎を培う」ことを目指した学習指導法を研究した。
理科 科学的な見方や考え方をはぐくむ学習指導
−自ら学び考える生徒の育成−
学習指導において、生徒主体のゆとりある学びの場を設定したり、ポートフォリオ的な手法を活用したりするなどの工夫をした。これにより、生徒たちの学習意欲や自由な発想と探究心を引き出すとともに、科学的な見方や考え方をはぐくむことができた。また、学習の自己評価や相互評価及び生徒個々の理解の総合的なモニタリングが容易になり、学習に関する生徒によるコミュニティーの形成においても良好な成果が得られた。
科学的な見方や考え方をはぐくむ学習指導
−「電流とその利用の単元」の教材開発−
「電流とその利用」の単元は、中学校理科の中で生徒が理解しにくい学習単元である。電気は生徒たちにとって身近な存在でありながら、学習で得られた知識と生活が関連付けにくいものとなっている。電流とその利用の単元の教材を開発、実践し、科学的な見方や考え方をはぐくむとともに、知識を活用できたときの喜びと感動を味わえる学習指導の方法を考えていきたい。
科学的な見方や考え方をはぐくむ学習指導
−連想調査法の理科教育への応用−
学習者が獲得した学習概念を調べる方法として糸山らによって開発され、道徳の授業評価にも応用されている連想調査法を、中学校理科の授業評価へ応用することを試みた。教科書等を分析してキーワードを選定するとともに、この方法を簡便に活用できるよう工夫を加えたことで、理科の授業においても、指導者の意図した授業が生徒たちにどのように定着しているのか、短時間に4つの観点から分析・評価することができた。
生活科 活動・体験の連続発展を図る生活科学習指導
−「いちのもとのあきをたのしもう」の授業実践を通して−
地域の公園での活動や竹ぼうき作りの体験を通して、活動・体験の連続発展を図る生活科の学習指導について研究した。子どもたちは、地域の身近な公園での活動を繰り返し体験することにより公園に愛着を感じ、公園をきれいにしようという活動へとつながっていった。そして、竹ぼうき作りを通して地域の高齢者と交流が始まりさらにお礼をする活動へと連続発展していった。
体育科 どの子もやる気にさせる学習指導
−ソフトバレーボールの学習を通して−
子どもたちを運動好きにさせるためには、体育の学習の中でやる気を起こさせる教材を発掘することだと考え、ソフトバレーボールの学習に取り組んだ。子どもたちは、生き生きと楽しく活動することができ、集団づくりにもつながった。また取組後、休み時間に運動場で元気よく遊ぶ姿が見られるようになった。
音楽科 音楽活動への意欲を高める学習指導
−クラスコンサートをしよう−
自分に合った表現方法や興味のある音楽活動、また表現力を高めたいと思える活動などを見つけることに重点をおき、その見つけた活動を発表する場として“クラスコンサート”(音T、音Uの両方に)を設定した。発表に向けての生徒たちの意欲的な取組や、生き生きとした活動の様子を紹介しながら、発表に対するとまどいを積極的な取組へと変容させる効果的な指導法を探った。
図画工作科 生涯学習につながるスケッチ指導の在り方
−こころにおもいをえがこう−
この研究では、生涯を通して自分なりの表現を楽しむことができるように、身近なスケッチを取り上げた。学校では、図画工作科以外の教科・領域などの場でもスケッチをする機会が多いと考え、まずそれらの有効性を探った。そして、生活科での体験を基にした活動を図画工作科のスケッチに結び付けることによって、これまで絵をかくことが苦手だった子どもたちの変容を見ることができた。
家庭科 生活に生きてはたらく力をはぐくむ学習指導
−ディベートを取り入れた家庭科の授業−
高等学校の家庭科において、学習テーマを自らの問題としてとらえることができるようにするとともに、発表形式や討論の方法も身に付けさせたいと考え、ディベートを取り入れた授業を試みた。本研究では、「環境問題」についてディベートの授業を展開することによって、主体的に学習に取り組む姿勢を養うことができた。
技術家庭科 主体的に学習する力をはぐくむ指導
−コンピュータを使っての自己表現について−
中学校の技術・家庭科の技術分野の授業において、生徒がコンピュータを適切に用い、ホームページ作成による自己表現を通して主体的に学習する力をはぐくむ指導について研究した。
英語科 How to Develop Students' Practical Communicative Competence
−Through Making a Presentation−
This study focuses on the effective ways of developing students' practical communicative competen ce through making a presentation. This helps students to cultivate the basis of communication skills in listening and speaking.
道徳 豊かな心をはぐくむ道徳の授業づくり
−保護者が参加する開かれた道徳の授業−
「心に響く道徳教育の実施」、「開かれた道徳教育の充実」、「共に考える道徳教育の推進」を進めていく上で、家庭と連携することは欠かせない。そこで、保護者が授業に参加し共に考え合う道徳の時間など、家庭と連携しながら児童の道徳性をはぐくみ、道徳的価値の自覚を深めていく道徳教育の在り方とそのポイントについて考察した。
特別活動 自主的・実践的な力を育てる特別活動
−計画委員会の活性化による学級活動の充実−
学級活動の運営を児童が行い、自主的・実践的な力を高めることは、将来にわたって「生きる力」となるであろう。新学習指導要領は、そのための「学級内の組織づくり」の大切さを強調している。そこで、学級活動を支える計画委員会に注目し、自主的な企画や運営のための支援、計画委員会の情報収集機能の強化やオープン化などの工夫を行い、計画委員が活躍する学級活動について研究し実践した。
自主的・実践的な力を育てる特別活動
−生徒が主体的に取り組む職場体験−
教員主導で「ただ体験するだけ」の活動に終わっていた職場体験を見直し、計画・提案・打合せ・実行・振り返りをできる限り生徒の手にゆだねた職場体験学習を試みた。その結果、これまで以上に生徒は、働くことの苦労や大切さ、喜びを実感することができた。また、この体験を基に、「自分自身を生かせる仕事とは何か」を振り返り、働くことを通して社会や人のために役立つこととはどういうことかを考えることができた。
総合的な学習の時間 「総合的な学習の時間」の進め方
−体験学習を取り入れた「総合的な学習の時間」−
学力を、「知る力」「学ぶ力」「生かす力」の三つの側面からとらえ、軽視されがちであった後者の二つの力を高める取組を考えた。本校では、自然体験活動を重視してきた伝統があり、それをより発展させる意味からも、より多くの体験学習に取り組ませることによって、生徒の「学ぶ力」「生かす力」を高めようと考えた。そして、そのことが生きる力を高めることにつながることが分かった。
総合的な学習の時間の進め方
−情報教育を基礎的に取り入れたカリキュラムの開発−
高度情報通信社会が日々進展する今日において、あふれる情報の中から必要とする情報を取捨選択し活用する能力を身に付ける必要が増してきた。そこで、情報教育をベースとしたカリキュラム開発を行い、コンピュータの利用を通して情報活用能力の育成を図る研究を進めた。その結果、生徒は技術面だけでなく、主体的に情報を発信するための表現力やコミュニケーション力の向上が見られた。
総合的な学習の時間の進め方
−地域・社会との共生から学ぶ自己の在り方生き方−
地域・社会との共生をテーマに、「国際理解」「介護と福祉」「環境」「保育」の分野で地域や社会と自分とのかかわりについて課題を設定し、探究活動をしていく「総合的な学習の時間」のカリキュラムを作成した。この時間の取組を通して、生徒たちに知る喜びや自分で考えることの大切さに気付かせ、これからの自己の在り方や生き方を主体的に考えることができる力を育てたいと考えた。
総合的な学習の時間の進め方
総合的な学習の時間の主題を、本校の特色を生かして「郷土発見・自分発見の時間」とした。「郷土発見」では主に吉野・熊野の自然と文化を学習対象とし、それぞれ学年ごとの学習目標と観点を設定し、学年別テーマを示した。「自分発見」では、学年ごとの学習目標と観点を明確にして、問題解決の方法を体験的に学習する内容を用意した。この2つの学習内容を有機的に関連させながら交互に学習するカリキュラムを作成した。
教育一般 幼児教育 生きる力をはぐくむ遊びの創造
−幼児の言葉を豊かにするための援助の工夫−
幼児の言葉を豊かにするための援助の在り方について実践を通して研究を進めた。その結果、幼児の言葉には、豊かな感情体験をはぐくむ生活と、幼児の小さなつぶやきに耳を傾ける保育者の姿勢、互いの話を受け止め合える友達関係が重要である。そして、何でも話せる雰囲気づくりをする中で言葉を交わす喜びを味わえるような援助をしていくことが大切であることが分かった。
生きる力をはぐくむ遊びの創造
−行事活動を通して−
生活に変化や潤いを与える園行事は、幼児の活動意欲を高め、幼児同士の交流を盛んにして生活を豊かなものにする。行事活動を通して、幼児自ら環境にかかわり、生活をつくり出していこうとする力を育てるために、どのような環境を構成し援助することが大切かについて考察した。
家庭教育 時代の変化に対応した家庭教育の創造
−家庭との連携を深め、幼稚園での生活習慣の見直しをすすめるために−
幼稚園では家庭と連携を図りながら、人間形成の基礎づくりをすすめることが大切である。そこで、子育てについての現状を調査し、子どもの生活習慣の形成、道徳性の育ち方などを把握するとともに、結果分析を通して今後の家庭教育の在り方や家庭との連携の方途を探る。
障害児教育 一人一人の課題に即した個を生かす指導
−コミュニケーションの広がりを目指して−
A児は一定の言語理解力はもっているが、重度の肢体不自由があり、気管切開のために音声による意思の表出が困難な状態にある。このような実態にあるA児のコミュニケーションを広げるために有効な補助手段はどうあるべきかについて、AAC(拡大・代替コミュニケーション)の考え方を参考にしながら研究実践に取り組んだ。
一人一人の課題に即した個を生かす指導
−職業的発達を願って−
専門教科としての木工の授業において、一人一人の課題に即した個を生かす指導に努めている。本研究では、ホームルーム担任として、生徒の現場実習から見いだされる課題を明らかにし、生徒の発達検査等から得られる認知特性などを生かしながら、職業教育における課題を総合的にとらえ、生徒の職業的発達が促されるよう、授業の工夫・改善とこれからの在り方を考察した。
同和教育 生きる力をはぐくむ同和教育の創造
−くらしを語り、くらしを重ねる取組を通して−
子どもたちが人権や差別の問題を「自分事」としてとらえ、自ら行動を起こせるようになるためには、学習活動の中で、子どもたちに生活実感に根ざした具体的な思考を積み重ねさせることが大切である。そうした取組を地道に続けることが、子どもたちに自他の生命や人権を尊重する心を培い、「生きる力」をはぐくむことになると分かった。
教育相談 教育相談を生かした子どもや保護者への支援
−家庭訪問による支援−
小学校低学年より不登校を続け、特定の友だちとしかコミュニケーションがとれない児童に対し、筆者は一人で、あるいは友だちを連れた家庭訪問など、さまざまな形態を採りながら支援を行った。その結果、笑顔を見せたり、ことばをつぶやいたり、少しずつ心を開き始めている。不登校傾向の児童とその保護者に対する支援の在り方について考察した。
教育相談を生かした子どもや保護者への支援
−登校し始めた子どもへの支援−
中学2年生途中より不登校が続いていたA男は、本校に入学して、初年度はほとんど出席できず原級留置となる。本年度、A男のホームルーム担任となった筆者は、新学期に2回目の1年生を始めるために登校したA男が、安定した学校生活を送ることができるように、接し方を模索しながらかかわっていった。登校を続けるA男が、学校への定着から人間形成へと成長するような、教育相談の手法に則った心の内部に迫る指導方法を考察した。
生徒指導 生きる力をはぐくむ生徒指導の創造
−生徒の自己指導を促進する学校行事の工夫−
学校行事は、生徒一人一人の特性に応じた役割の分担を可能にするので、生徒の個性を発揮させ、自己指導の発達に大きな意義をもつ。自発性、自立性及び自主性を培い、なかま共に実践できる活動の工夫を通じて、生徒が自ら学び、自ら考え、判断する力を促進する学校行事の在り方について研究した。
情報教育 情報ネットワークシステムの共同研究
−学習活動を活性化させるインターネット活用−
インターネットへの接続環境を整え、教職員のコンピュータ操作のスキルアップを図る研修を実施するとともに、児童にコンピュータ等の操作方法を習得させることを通して、学習活動の活性化を図るインターネット活用について研究した。特に、授業で使えるWebページの収集、調べ学習に使えるリンク集の作成、他校との交流の場を設定することなどを通して実践を進めた。
情報ネットワークシステムの共同研究
−「草花データベース」をつくろう−
校庭に育っている様々な草花について調べたことをデータベース化する授業実践を通して、教育研究所のWebページ上で試験運用されている学習情報提供システムなど、インターネットを中心とする情報ネットワークシステムの効果的な活用方法について研究した。機器の操作方法を教え合い、協力してコンテンツをつくり上げていこうとする子どもの姿が随所に見られた。
情報ネットワークシステムの共同研究
−インターネット学習システムの活用−
県立教育研究所のWebページ上で試験運用されているインターネット学習システムを活用したアンケート(生物TAの課題研究)を行うことによって、校内ネットワーク環境や情報ネットワークシステムの活用方法について検討し、実践した。その結果、多くの人々から幅広い回答が得られるなどの利点と、ネットワーク環境の充実と管理や、ネットワークに関する技術習得の必要性などの課題が見えてきた。

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