平成16年度

研 究 紀 要
奈良県立教育研究所指導主事

研 究 集 録
奈良県立教育研究所長期研修員
奈良県立教育研究所指定研究員

第12号


はじめに



研 究 紀 要

研究の概要
1 10年経験者研修の在り方について
  −教員の職能発達の視点から−
学校経営係長 梅 野 満 雄
 平成15年4月、教育公務員特例法の改正により制度化された10年経験者研修は、教諭等としての在職経験が10年に達した者に対して、個々の能力・適性等に応じて作成された研修計画書に基づき実施するものである。研修後のアンケート調査等を踏まえ、教員のライフステージ及び職能発達の視点からこの研修の在り方について考察する。
2 組織マネジメントを視点とした学校経営

指導主事 高 崎 隆 一
 学校経営のビジョンを具現化するためには、子ども及び保護者に最も接する機会の多い教職員が学校経営の方向性を理解し、自律的に対応していくことが必要である。そのため、学校教育目標を策定するとともに、目標の達成に向けて教職員の活動を支援する組織マネジメントが重要である。組織マネジメントを視点とした学校組織の活性化の在り方を研究する。
3 指導力不足教員の研修プログラムについて

指導主事 清 水 俊 也
 指導力不足教員は、教科指導、学級経営、生徒指導等、また教員としての適格性や情緒的な不安定さなど、様々な課題を抱えている。各個人の課題の克服に向け、好ましい人間関係を構築したり、幅広い知見を身に付けさせたりするなどの総合的な領域にわたる研修プログラムを考えた。 
4 幼稚園から小学校への滑らかな接続を目指して
  −幼稚園と小学校の連携の在り方−
指導主事 石 井 明 子
 幼子どもたちに「生きる力」をはぐくむための教育課程について、近年、校種を越えた一貫性が求められている。特に幼稚園教育と小学校教育においては、幼児期の遊びを中心とする保育から、児童期の学習を中心とする指導への移行を滑らかにし、一貫した流れをつくり出すことが大切である。そのためには、幼稚園と小学校がそれぞれの教育の目的、子どもの発達の姿、指導の方法等について相互理解を深め、連携・交流の機会をより充実し、共通理解を図る必要があると考える。
5 学校事務職員の資質向上
  −研修の在り方−
主査 西 田 邦 子
 学校事務職員は、学校における唯一の行政職員であり、教育行政の専門家として学校経営に主体的にかかわるためには、その資質の向上、能力の開発を図る必要がある。今年度実施した「学校事務職員10年経験者研修」講座を基に、学校事務職員の資質を高めるための研修の在り方について研究した。
6 読書指導についての一考察
 
指導主事 岸 本 憲一良
 様々な方面からその重要性が叫ばれている読書指導。最近の子どもの読書傾向を探るとともに、読書指導に関する法律や施策、近年行われている様々な取組等について考察を加えた。
7 「学び」から見た直接体験の史的研究
  −日本近代史における見物の意味するもの−
学習指導係長 森 本   理
 具体的事物に対する興味や関心は、日本文化の一つの伝統的特性で、興味や関心の対象は、その具体性にあった。自らの感覚によって直接に体験できる実在の世界を、人々は信じていたようである。「学び」の世界における直接体験主義の史的過程をたどることにより、これからの授業の在り方を考察する。
8 中学校理科におけるペーパーテストづくりの考え方

指導主事 吉 田 勝 哉
 評価におけるペーパーテストの役割とは何か。中学校理科において、観点別学習状況の評価の4つの観点およびその趣旨(国立教育政策研究所教育課程研究センター)を生かした問題づくりの在り方について考察し、ペーパーテストづくりの改善について研究した。
9 理科学習指導における教員自主研修ソフトの制作

指導主事 吉 田 勝 哉
 理科教育研修講座において、その説明や展開の補助として使えるマルチメディア教材を作成した。この教材は、Microsoft PowerPoint 2002 で作成したものであり、文字・図・画像・音声・動画を組み合わせ、アニメーション機能でストーリーを構成し、受講者が興味をもって取り組めるように工夫したものである。さらに、Microsoft Producer for PowerPoint 2003 を使って教員自主研修ソフトを制作し、インターネットでの配信を考えている。
10 薬品管理システムの構築

指導主事 吉 田 勝 哉
 表計算ソフトExcel(Microsoft)を使って、入力が簡便で、多様な出力によって薬品管理状況を表せる薬品管理システムの構築について研究した。薬品管理の方法について検討するとともに、この薬品管理システムによる、薬品管理簿の作成とその使用法を示す。
11 児童生徒の視点を生かした授業の工夫改善
  −児童生徒による授業評価の在り方について−
指導主事 江 藤 芳 彰
 児童生徒の視点を生かした授業の工夫改善には、実際に授業を受けている児童生徒による授業評価が不可欠である。本稿では、児童生徒による授業評価を取り入れた、PDCAサイクルを用いた授業の工夫改善について、先進県の取組などを参考に考察をした。児童生徒に「確かな学力」を身に付けさせるには、学校、学年及び教科としての組織力を高め、PDCAサイクルに全教員で取り組むことが大切である。
12 生徒が主体的に取り組む授業展開の考察

指導主事 奥 田 俊 詞
 物理の授業における科学史活用の有効性と、生徒の思考過程に沿った授業構成について考察し、生徒が主体的に取り組める授業の具体例を示した。その上で、生徒の主体的に取り組む力を育成するために教員が取り組むべき課題の整理とその方向性を探った。
13 日本の伝統音楽と音楽科の授業
  −「心に響く日本の音色」をどう扱うか−
指導主事 有 本 明 生
 「日本の伝統音楽の普及」、その第一歩として、中学校で「和楽器による音楽の授業」が全国的に実施されるようになり、3年が過ぎようとしている。和楽器を扱う授業を実施するに当たって留意しなければならない事柄について、西洋音楽と対比しながら考察した。
14 鑑賞の充実と育てる資質・能力
  −鑑賞ワークシートの視点を考える−
指導主事 島 崎   裕
 図画工作、美術の学習内容は「A表現」と「B鑑賞」から構成されている。図画工作や美術に関する諸能力は、これら二つの学習がバランスよく総合的になされることによって高まるのである。しかし、実際の学校での指導は「A表現」の内容に偏り、年間指導計画に「B鑑賞」の時間が十分に位置付けられているとは言い難い。そこで、分かりやすく信頼性のある評価が容易な鑑賞の方途としてワークシート作成の視点を示す。
15 「生きる力」をはぐくむ家庭科教育
  −生活の自立を目指した指導と評価の工夫−
指導主事 竹 川 春 美
 男女共同参画社会の推進、高齢社会の到来など社会の変化が著しい。このような社会状況の中で、男女を問わず生活の自立に必要な能力をはぐくんでいくことが大切である。本研究では、中学校技術・家庭科における生活の自立に必要な能力のうち、衣生活に関して手縫いの基礎的な知識と技術を習得させるための題材の開発を行い、生徒自身将来にわたって活用できる「基礎縫いハンドブック」の作成を行った。
16 心に響く道徳の時間の指導の工夫
教職研修係長 島   恒 生
 道徳教育の充実が求められている。そのカギを握っているのが、道徳教育の「かなめの時間」である道徳の時間である。子どもがより主体的に考えることのできる魅力的な道徳の時間を目指し、@ねらいを子どもの意識で考えること、A子どもの課題意識を高めること、B教員の受容的な姿勢を大切にすること、C広がり、深まる発問を心がけることを提案した。
17 豊かな心をはぐくむ家庭教育の支援
  −家庭教育支援係の設置による学校ぐるみの支援の在り方−
指導主事 山 岡 祥 高
 子どもに豊かな心をはぐくむためには、家庭の教育力向上が求められる。そのためには、学校からの家庭教育支援が必要である。そこで、校務分掌に家庭教育支援係を設けることを想定し、この係を中心にした様々な家庭教育の支援の在り方を考察した。
18 人権に関する博物館を活用した人権学習について
  −児童生徒の人権感覚を確かなものにする学習を目指して−
指導主事 藤 田 和 義
 生涯学習社会の進展に伴い、博物館の果たす役割が重要となっており、人権に関する博物館の充実も進んでいる。人権教育を進める上で人権に関する博物館を活用することは、児童生徒の人権意識や感覚を確かなものにするために有効である。奈良県教育委員会が策定した『人権教育推進プラン』を踏まえて、人権に関する博物館を活用した人権教育の推進の在り方、特に総合的な学習の時間での活用をイメージした学習構想図を考察した。
19 本研究所におけるグループウェアの構築と活用  IT支援係長 阪 部    清
   指導主事 外 嶋 尚 史
   指導主事 薮 田 真 孝
   指導主事 宮 崎 博 文
 グループウェアを効果的に利用することは、業務の効率化や情報の共有化を進め、組織全体の知識レベルの向上にもつながる。そこで、実際に数本のグループウェアを試用して、当研究所における適切なグループウェアの構築と活用の方途を探った。
20 マルチメディアを活用した教材の開発 マルチメディア支援係長 吉原 義彦
      指導主事 西川   潔
      指導主事 中村 典史
 視聴覚メディアは時代とともに変化してきた。近年、「マルチメディア」ということばがよく用いられるようになったが、「マルチメディア」を活用した教材開発について具体例を示しながら、その可能性や課題について考察する。


研 究 集 録
T 奈良県立教育研究所長期研修員の部

研究の概要
1 組織マネジメントを視点とした学校評価の在り方

長期研修員 上 村 文 裕
 学校経営を行うに当たっては、児童生徒はいうまでもなく保護者や地域住民の願いを把握する必要がある。また、日々の取組については自己評価や外部評価により客観的に評価し、その結果を公表しながら学校の状況等を伝えていかなければならない。そこで、このような学校経営を行うために、学校評価システムの在り方について考察した。 
2 地域に信頼される魅力ある学校づくり
  −学校支援ボランティアの活用から−
長期研修員 植 嶋 紀 一
 昨年度、置籍校では、地域住民が教育活動や環境整備等の支援を行う学校支援ボランティアを活用し、魅力ある学校づくりに取り組んだ。しかし、現在のところ、十分な計画性をもって事業を展開しているとは言えない状況にある。そこで、学校支援ボランティア導入の手順や問題点を明らかにしながら、恒常的・日常的に活用をする方途を研究し、魅力ある学校づくりについて検討した。
3 明るく笑顔の絶えない学校づくり

長期研修員 吉 村 順 子
 児童がいきいきと学び主体的に活動する学校づくりを目指すには、まず、教員の意識変革や資質向 上を図ることが必要である。そのためには、目標に向かって機能する研修体制を構築し、マネジメン トサイクルを活用しながら様々な研修を通して教員の意識変革を促し、資質の向上を図る手立てを講 ずることが大切である。また、それをリードする校長の役割も重要であると考える。
4 教職員一人一人の意欲を引き出す学校経営

長期研修員 山 腰 公 丸
 学校が子どもたちをはじめ保護者や地域住民等のニーズを読み取り、効果的・効率的な教育活動を展開するためには、管理職に教職員一人一人のもつ能力を積極的に引き出す資質・能力が求められる。なかでも、「指示・命令」よりも「任せる」ことに、「教える」よりも「支援する」ことに、「話す」よりも「聴く」ことに重点を置いたコミュニケーションは、教職員の意欲を引き出し、個人の成長を図る有効な手段である。
5 経済リテラシーをはぐくむ学習指導の在り方

長期研修員 佐 藤   由
個人であれ、企業であれ、経済破綻という言葉が日常的に使われる時代である。金銭は人の一生に常にかかわり、時には人生をも左右するものであるにもかかわらず、これに関する教育への取組はあまりに消極的であると考える。本研究は、生徒が学ぶべき経済(金銭)教育の枠組を示し、個人が経済社会のなかで、健全な経済生活を営める力・金銭を使いこなす力をはぐくむ教育の在り方を考察した。
6 中学校数学科の信頼性ある評価の構築
  
−観点別学習状況「数学への関心・意欲・態度」の評価の工夫−
長期研修員 植 田 栄 子
 平成14年度より中学校では目標に準拠した評価が導入された。アンケート調査や聞き取り調査を通して、この評価に取り組む教員の苦労を目の当たりにした。中でも観点別学習状況の一つ「数学へ関心・意欲・態度」の評価については特に難しいと感じた。そこで評価の客観性と信頼性を高めるために、この観点における評価の工夫に焦点を当て、具体的な評価場面を考えた授業事例の作成や、評価資料としてのテスト問題例を作成した。
7 コンピュータを活用した小学校理科の学習指導

長期研修員 川 西 賢 侍
 小学校理科の学習において、児童自らが見通しをもち問題解決の活動を主体的に行い、科学的な見方や考え方を養うことができるようにするための一手段として、コンピュータの活用が考えられる。小学校5年「わたしたちの気象台」において、コンピュータを活用したデータベースの作成やデータの検索に取り組む問題解決の活動を行い、コンピュータの活用が科学的な見方や考え方を養うのに有効であることを確かめた。
8 自分らしさが輝く表現活動の在り方
  −見る目、感じる心をはぐくむ絵画表現を求めて−
長期研修員 山 下 裕 文
 小学校の図画工作科の学習において、自らが思いをふくらませながら、つくりだす喜びを味わう子どもを育てるための指導の在り方について、題材の工夫や学習展開、評価の方法、効果的な鑑賞の方途などを具体的に研究する。
9 総合的な学習の時間の課題設定の在り方

長期研修員 八 幡 憲 昭
 置籍校がある大和高田市は、奈良盆地中南部の商工業の中心として特色ある歴史を有し、伝統行事も多く、学校の周辺には公共施設なども多数ある。このような地域の特色を生かし、地域をテーマとした総合的な学習の時間の課題設定の在り方をどのようにすべきか、また、どのような教材開発が必要なのかを探る。
10 自ら学び考える総合的な学習の時間の指導
  −伝承唄を教材にした総合的な学習の時間の展開−
長期研修員 高 崎 守 司
 総合的な学習の時間が完全実施されて2年、私の置籍校では様々な課題が出てきた。その課題を克服するために、生徒にとって身近な地域教材の開発の必要性を感じた。そこで、本研究では、地域に伝わる「伝承唄」を教材として、生徒の自ら学び考える力を育てるための方途について考察した。
11 児童と教職員が共に学び合う人権教育の在り方

長期研修員 西 辻 政 則
 同和教育の成果を受け継ぎ世界の実践に学びながら人権教育を構築していくためには、教職員がきめ細かく日々の実践をするとともに絶えず主体的に研修することが重要である。様々な体験や人との出会い及び地域との学び合いの意義について考察し、研究授業を核とした校内研修モデルプランを作成した。研修で培った力が、学校における人権教育推進の原動力となると考える。
12 中学校における生徒指導の組織体制の在り方

長期研修員 茶 谷 正 美
 これからの中学校における生徒指導は、今日の様々な諸問題を的確に分析し、組織的・機能的・計画的に推進していかなければならない。そこで、各学校における生徒指導の組織体制について改善すべき点や問題点を考察し、これからよりよい生徒指導体制を確立していくために必要な組織体制の在り方について研究する。
13 社会性をはぐくむ家庭教育支援の在り方
  −家庭の教育力向上を目指して−
長期研修員 西 川 恵 三
 子どもは多様な人間関係の中で社会性を培っていく。しかも、子どもは家庭を基盤として、様々な人とのかかわりの中で基本的な生活習慣や道徳心などを身に付けていく。しかし、近年の家庭における教育力の低下を考えると、これらは、家庭だけではなく学校・地域との連携の中で育てていかなければならない。そこで、子どもの豊かな心と社会性を育てるために、学校からの家庭教育支援の在り方を考える。
14 不登校の子どもへの支援の在り方
  −自らの課題解決をめざして、事例から学ぶ−
長期研修員 岡 本 則 子
 主に小・中学生との遊戯療法やカウンセリングの実践を通して、不登校などで悩む児童生徒の心をより深く理解し、支援を必要とする子どもへのかかわり方について研究した。また、学校における教育相談を生かした支援体制の在り方について考察した。
15 公民科教育におけるコンピュータの活用

長期研修員 松 岡 正 晃
 公民科教育におけるコンピュータの活用について、その有効性を探るとともに、その活用に当たりどのような課題があるか考察した。また、簡単に活用できる公民科の学習教材を開発した。
16 知的障害養護学校における教育相談の在り方
  −校内の教育相談についての考察−
長期研修員 吉 村 秀 樹
 生徒との日々のかかわりの中で、生徒のもっている課題から知的障害養護学校での教育相談の必要性を感じてきた。知的障害養護学校における教育相談はどのように行うべきか、県内の知的障害養護学校の教育相談の現状を調べ、事例研究を通して、特に置籍校における教育相談の内容や体制について考察し、今後の展望を探る。


研 究 集 録
U 奈良県教育委員会指定研究員の部

研究の概要
1 豊かな心をはぐくむ活力ある学校づくり
  −学校の環境分析を通して−
川西町立唐院小学校
     教頭 篁 園 充 信
 本校は自然環境に恵まれ、子どもたちはのびのびと学校生活を送っている。このよさを伸ばし、地域の人々とのふれあいや遠隔地の学校との交流を通して、人の温かみが実感できる学校づくりについて考察する。また、教職員が意欲的に教育活動に取り組んでいけるように、学校組織の見直しや学校の自己評価の在り方についても考える。 
2 新しい学校事務の在り方を探る
  −学校事務の活性化を図る−
川西町立結崎小学校
     主査 松 山 和 子
 市町村立小中学校事務職員の標準的職務内容一覧表に基づいて、教職員の理解を図りながら学校事務が円滑に行われる体制をつくるため、現在までに行った事務改善や校務分掌の見直しについて経過を整理した。更に、事務処理方法や手順を示した事務部領域のガイド作成や自己確認のための確認表の作成に取り組んだ。
3 探究の連続発展を軸とする授業づくり
  −現在の国際情勢を冷戦から推察する−
安堵町立安堵中学校
     教諭 久 保 茂 樹
 これからの新しい学力観は、いままでの知識偏重を改め、「自ら学ぶ力」「自己教育力」を育てる 視点に立っている。本研究は、子供たちが自ら学ぶためには、「学び方を学ぶ学習」の充実を図るこ とが大切であるという前提に立って、子供たちがこれまで学習した様々な社会認識を通して公民的資 質を養うことを目的としている。「戦争」を通してというやや難解なテーマからではあるが、こうし た目的が達成される授業モデルを模索してみたい。
4 探究の連続発展を軸とする授業づくり
  −高等学校「世界史B」の授業づくりを一事例として−
県立斑鳩高等学校
     教諭 祐 岡 武 志
 本研究は従来の講義中心の授業にかわり、生徒が「探究」することに主眼をおいた授業づくりを目 指すものである。生徒が自ら抱いた疑問を探究し、その探究結果の発表内容を生徒相互に検討させる ことでさらに新たな疑問点を抽出し、次なる探究に向かわせることがこの授業の目的である。具体的 には高等学校世界史Bのカリキュラムの中で、生活史の観点で食文化の交流を取り上げる授業を構想 し、研究授業を通してその有効性を考察した。
5 科学的な見方や考え方を高める指導と評価
  −小学校第6学年理科「水よう液の性質」の学習を通して−
斑鳩町立斑鳩小学校
     教諭 梅 本 利 政
 児童自らが課題づくりを行ったり、自由試行を行ったりする学習において、児童が作成したコンセプトマップ、能動的な自己評価及びノートを用いて、児童の科学的な見方や考え方が高まっているかどうかを評価した。その結果、それらによる評価が、児童の主体的な学習への取り組みや、科学的な見方や考え方を高めるのに有効であることが分かった。
6 関心・意欲・態度や科学的な思考を高める指導と評価
  
−中学校理科における評価規準に基づくペーパーテストづくりの工夫−
河合町立河合第一中学校
     教諭 樫 原 俊 司
 ペーパーテストは、従来から重要な評価方法として多用されてきた。しかし、ペーパーテストの問題が、観点別評価規準の内容を十分に反映できているかについては、まだまだ問題点が多いのが現状である。本研究では、観点別評価規準に基づいたぺーパーテストづくりについて検討し、特に作問が難しいとされる「自然事象に対する関心・意欲・態度」や「科学的な思考」の観点が評価できる作問の方法を示した。
7 体力つくりの授業実践と評価に関する研究
  −楽しく取り組む「体力を高める運動」−
橿原市立耳成南小学校
     教諭 辰 己 善 章
 子どもたち一人一人が、自分の体力に関心をもち、仲間とかかわりながら楽しく体力を高めていくことができる体育科学習の在り方について研究した。子どもたちの意見も取り入れながらいろいろな体力を高める運動の場を設定することで、自分たちで動きを工夫し、仲間とかかわりながら、意欲的に楽しく取り組む子どもたちの姿が見られた。
8 体力つくりの授業実践と評価に関する研究
  −個に応じた体力を高めるために−
県立山辺高等学校
     教諭 北 口 貴 之
 心身の発達がもっとも充実する時期に、力強さとスピードのある動きを高めることの重要性を理解させ、個に応じて体力を全面的に高めていくための指導の在り方について研究した。運動例を増やしていくことで、生徒たちは、個々に応じた方法で必要な体力の高め方を徐々に理解し、楽しみながら意欲的に取り組むようになった。
9 自ら体験し、生きる力を育てる学習指導
  −音楽の時間は楽しい!−
桜井市立桜井南小学校
     教諭 洞 出 勢津子
 子どもたちが、音楽の様々な活動に積極的に参加し、なかまとともに表現活動を楽しむことで一人一人が心を開いて、より豊かな表現活動ができる「音楽の時間」となる教材や指導法を研究する。
10 主体的に活動する力をはぐくむ学習指導
  −自分たちのハーモニーをつくろう−
県立奈良高等学校
     教諭 山 白 育 枝
 芸術科「音楽T」の合唱の単元を通して、より一層生徒の主体的、意欲的な取組が図られるよう、生徒たち自身で楽曲をつくり上げる難しさと喜びを、授業の中で感じさせる効果的な指導法を探った。
11 図画工作科における鑑賞教育の一考察
  −アートゲームから始める鑑賞教育−
黒滝村立黒滝小学校
     教諭 河 原 広 英
 図画工作教育で鑑賞の授業に新たな視点からの試みが求められている。そこで、児童が主体的に感じ取り、味わうことができ、あまり専門的な知識がなくても取り組むことのできる鑑賞の授業に適した題材の研究開発とその実践を行うことで、これからの鑑賞教育の指導と評価の在り方について考察した。
12 視覚に障害のある子どもと『絵』に関する研究
  −『絵』や『描くこと』に親しませる取組を目指して−
県立盲学校
     教諭 正 井 隆 晶
 視覚に障害のある子どもにとって『絵』を描くことは、その障害のために難しいものである。また、子ども自身も、そのように感じていることが多い。『絵』に親しませたり、『描く』ことに親しませたりするためにはどのようにすればよいのか、鑑賞でなく、実際に描かせる取組を通して考察した。
13 コンピュータを活用した家庭科教材の開発
  −ディジタル絵本の制作−
天理市立北中学校
     教諭 上 田 篤 史
 生徒の学習意欲を高める方法の一つとして、コンピュータや視聴覚教材を用いた視覚的な学習は非常に有効な方法であり、今後もますます増えると考えられる。本研究では家庭分野において、コンピュータを用いた授業を展開することにより、学習内容に、より興味をもたせるとともに、生活の自立に必要な家族と家庭生活に関する基礎的な知識と技術を習得させる教材の開発を行った。
14 「生きる力」をはぐくむ家庭科教育 県立青翔高等学校
     教諭 岡 本 理 恵
 「生きる力」を育成するための家庭科の指導には、基礎的・基本的な知識の習得だけでなく、よりよく生活を営むための技術や家庭、地域の生活を創造する能力と実践的態度を育てることが求められている。本研究は、食生活と環境とのかかわりについて知り、今後の自らの食生活をどのように改善していけばよいかを考えさせるために、班活動による献立作成、調理実習等における指導と評価の工夫改善を試みた。
15 使う、親しむ、身に付く英語の指導
  −選択教科における単元の計画と授業の工夫−
田原本町立北中学校
     教諭 大 村 泰 弘
 中学校学習指導要領の目標に、実践的コミュニケーション能力の育成を図ることが大きく掲げられている。本校では週3時間の英語の授業に加え、1時間の選択英語の授業を実施をしているが、その中で、海外旅行のシミュレーションを通して、実践的コミュニケーションの育成を図るための研究を行った。
16 使う、親しむ、身に付く英語の指導
  
−実践的コミュニケーション能力を伸ばすreadingの指導法−
県立登美ケ丘高等学校
     教諭 泉     博
 学習指導要領では、外国語による実践的コミュニケーション能力の育成が強く求められている。そこで積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育てることにつながるリーディングの活動について研究し、生徒自ら取り組む繰り返し読みや音読活動を行うことにより、効果的に文章の大意を把握するための指導法を実践した。
17 共に考え合う道徳の授業づくり
  −豊かな体験と道徳授業について−
大和郡山市立郡山南中学校
    教諭 森 下 亮 仁
 道徳の時間が生徒にとって「人間としてよりよく生きていく道徳的実践力の育成」の場となるためには、生徒が「楽しい」「ためになった」と感じることができる心に響く時間でなくてはならない。そこで、道徳の時間と総合的な学習の時間の関連を図ったり、参加型・体験型の学習やエンカウンターの手法を取り入れた道徳の授業を行ったりするなど、生徒の体験を生かし、「自分はどうなのか。」と自己の内面を見つめる展開を大切にした授業づくりを進めた。
18 豊かな心をはぐくむ幼児教育
  −身近な自然や人とのかかわりを通して−
天理市立福住幼稚園
     教諭 島 谷 真 代
 幼児は、生活や遊びの中で様々なものに興味や関心をもち、自らそれらに働きかけ、直接的で具体的な体験を積み重ねていく。すなわち、幼児は豊かな生活体験を通して、自我の形成を図り、ものや人とのかかわり方や豊かな心情、意欲、態度を培っていく。そこで、身近な自然や人とのかかわりを通して、豊かな心をはぐくむための環境構成や教員の援助の在り方について考察した。
19 学級活動の充実を図る指導の工夫
  
−子どもが生き生きと取り組む話合い活動の指導と評価の工夫を通して−
葛城市立新庄小学校
     教諭 遠 藤 孝 晃
 子どもたちによる学級や学校の生活の充実と向上を図るという学級活動(1)の内容を達成するためには、子どもたちが互いの考えを尊重しながら見通しをもって話合いを進めることが必要である。そうした話合い活動の経験から、子どもたちは、「この学級が好きだ。」「友達と共に学級をつくりたい。」という気持ちや自信を高めていく。子どもたちの自発的・自治的な話合い活動がより活発なものになるよう、指導の工夫や指導に生かす評価の在り方を探った。
20 帰国生徒の受け入れについて 県立富雄高等学校
     教諭 藤 井 義 秀
 本校は、帰国生徒等受入れ校として12年に及ぶ歴史をもっている。その取組の歴史から、帰国生徒や外国籍生徒の自己実現や多文化共生を図るための学校づくりの視点を、数多く確認することができる。また、帰国生徒や外国籍生徒が自信をもって進路を切り拓き自己実現を図るためには、「成功モデル」を示すことが大切であることが分かった。国際理解教育を推進する上での課題については、人間関係づくりの視点から研究した。
21 豊かな心をはぐくむ家庭教育の支援 大和郡山市立片桐小学校
     教諭 山 村 衣 里
 現代はモノと情報にあふれている時代である。モノに囲まれ、膨大な情報が氾濫する中で、子どもが自分を見失うことなく、心豊かにいきいきと育つためには、人と人とのふれあい、家族との豊かなコミュニケーションが大切だと考える。そこで、学級として、また学校として、子どもを心豊かに育てる家庭教育に対してどのような支援ができるのかを研究した。
22 学校教育におけるコンピュータの活用
  −学校の情報化の推進にむけて−
県立室生高等学校
     教諭 田 淵 泰 央
 コンピュータ及びインターネットの効果的な利用は、「分かる授業」の実現と基礎・基本の学力の 確実な定着に役立つと考えられる。そのために、すべての授業において、コンピュータを活用した授 業実践ができるような研修を計画し、教員の指導力向上に取り組んだ。また、「インターネット利用 規定」の策定など、情報モラルや管理運用体制の整備を図った。
23 特別支援教育の校内体制づくり
  −初年度の試みと課題について−
奈良市立富雄中学校
     教諭 堂 本 雅 祥
 今年度、本校では、特別支援教育に向けての校内体制づくりに取り組んだ。本研究では、その過程で浮かび上がってきた様々な成果と問題点を整理し、考察した。4回の校内委員会の開催とチェックリストの実施を経て、来年度は第1学年を対象に特別支援教室を開設する予定である。
24 校内支援体制の在り方
  −校内委員会の立ち上げに向けて−
河合町立河合第一中学校
     教諭 平 岡 彰 代
 特別支援教育の推進に向けて、各校で特別な教育的支援を必要とする児童生徒の校内支援体制の在り方について論議がなされつつある。置籍校でも、この校内委員会を立ち上げていく過程においては、いくつかの課題がある。しかし、特別な教育的支援を必要とする生徒への実践を通して、周囲の教員の理解を得て、校内の特別支援教育への意識が徐々に変化してきた。それを基盤として、今後の置籍校での校内支援体制の立ち上げの課題克服について研究した。
25 盲・ろう・養護学校のセンター的役割
  −小・中学校への具体的な支援の在り方を探る−
県立大淀養護学校
     教諭 中 井 和 代
 「特別支援教育」では盲・ろう・養護学校の地域のセンター的な役割が示されている。そこで特別支援教育コーディネーター養成講座受講者へのアンケートと実践ヒント交流会を行い、その結果をもとに、盲・ろう・養護学校の教育相談の在り方と小・中学校に対してどのような具体的な支援を行っていくべきかを考察した。