平成19年度

研 究 紀 要
奈良県立教育研究所指導主事

研 究 集 録
奈良県立教育研究所長期研修員
奈良県立教育研究所指定研究員

第15号


はじめに



研 究 紀 要

研究の概要
1 教員研修の在り方
 −研修の工夫・改善−

教職研修係長 上 西 善 吉
 現在、社会が急激に変化し、学校を取り巻く環境が大きく変わる中、確かな学力、体力、規範意識などを確実に育成する質の高い教育が求められている。学校教育の充実は、教育に直接携わる教員の資質能力に負うところが極めて大きい。本研究では、教員に求められる資質を考察し、これからの教員研修の在り方を探った。
2 キャリア教育の視点から見た物理教育の在り方

指導主事 奥 田 俊 詞
 キャリア教育は、学校教育のすべての場面で行われるべきものであり、それぞれの教科領域においては、その特性 に応じたキャリア教育推進の役割があるはずである。本稿では、高等学校における物理教育を一例として、教科指導 の中におけるキャリア教育の在り方について考察した。
3 学校事務職員の資質向上
  −研修プログラムの工夫と改善−
事務指導員 西 田 邦 子
 長期的な視野に立った研修を通して、時代の変化に対応した学校づくりに参画し、自らの使命に責任と誇りをもっ て当たる学校事務職員を目指して、研修プログラムの工夫・改善を行った。
4 地域への愛情をはぐくむ伝統文化の取組

小学校教科指導係長 宮 本 憲 二
 国際化が急速に進展する現代にあって、異なる文化をもつ人々と、ともにより豊かに生きていく社会を築いていく ことのできる人間を育てていくことは、教育に課せられた大きな課題の一つである。
 先人が大切に守り、はぐくんできた我が国の伝統文化について学習し、先人の願いや思いを知り、自分の生き方に 反映させていくことは、国際社会で生きていく上で大切である。
 先頃公表された学習指導要領の改訂案でも我が国の伝統や文化に関する教育の充実についての記述が、従前よりも 一層明確に示されている。
 本研究では、我が国の伝統文化の学習を総合的な学習の時間や特別活動等において、地域の特徴を生かして研究を 進めている2つの小学校の事例を基に考察する。
5 図画工作科における造形遊びの指導の工夫

指導主事 吉 村   茂
 図画工作科の内容A「表現」の一つに造形遊びがある。子どもが自由に発想を広げ、のびのびとした活動を通して 感性や創造性を養うことのできる内容で、すべての学年で指導することとしている。しかし、準備物や場所の設定、 展開方法の難しさなどから小学校の図画工作の授業で、「造形遊び」が「絵や立体に表したりつくりたいものをつく る」活動に比べ、扱いが十分でない傾向にある。そこで、「造形遊び」が学校で実施しにくい理由を考察し「造形遊 び」の効果的な指導と題材設定の工夫について研究する。
6 学ぶことへの意欲を高める生活科教育の在り方

指導主事 植 松 利 晴
 生活科は、平成元年の学習指導要領の改訂に伴い、低学年児童の発達上の特徴に即して新設された。以来十数年を 経て、幼児教育との連携や気付きの質を高める指導など、生活科教育の一層の充実が求められている。本研究では、 生活科教育の特質や現状を踏まえながら、学ぶことへの意欲を高める生活科教育の在り方について研究を行った。
7 子どもが主体的に取り組む道徳の時間の指導

指導主事 荒 木 篤 人
 道徳教育の充実が求められる中、その要となる道徳の時間を子どもが主体的に取り組む学習にすることが大切であ る。そのための指導のポイントや工夫について、授業の展開に沿って考察した。
8 算数・数学科に求められる学力についての一考察

指導主事 安 井 紳 志
 学習指導要領の改訂と相まって、学力についての議論が教育界のみならず経済界やマスコミ等で熱心に行われてい る。新聞紙上では「学力低下」や「ゆとり教育の見直し」の見出しのもと、今後の学力形成の在り方が取りざたされ ている。特に算数・数学は繰り返し学習による基礎・基本の確実な習得のための徹底指導なのか、日常生活等への対 応に向けた応用・活用力の育成なのかといった対立として議論されることが多い。そこで、国際調査の実施の趣旨を 整理しつつ、学力調査の結果から見えてきた子どもたちの課題解決への方途について提案するものである。
9 生涯学習番組のディジタル化と配信について


 IT支援係長 池 口 敬 正
   指導主事 宮 崎 博 文
   指導主事 廣 田 清 雄
   指導主事 中 井 基 雄
 ブロードバンド時代になりインターネットを利用して、手軽に動画が見ら れるようになった。生涯学習番組の制作についてもテレビ放送用だけでなく、 動画配信用も必要とされている。動画配信用に効率よくディジタル化し配信 する技術を確立し、誰でもが使い易いインターフェイスをWeb上に構築で きれば、情報発信ツールとして注目を集めることができると思われる。3種類の動画配信用プログラムを試用して、 適切な動画発信サイトの構築と活用の方途を探った。
10 「確かな学力」を育てるためのICT活用

マルチメディア係長 西 川  潔
 「確かな学力」の向上に資するため、「分かる授業」を実現する指導法の一つとして、ICT(情報コミュニケーショ ン技術)を効果的に活用した授業の展開が重要になっている。そこで、子どもたちに「確かな学力」を育てるために ICT活用の在り方について考察する。
11 豊かな人間性を培う家庭教育の推進
−発達段階に応じた子どもの特徴と子どもへの働きかけ−

家庭教育係長 乾   義 輝
 発達段階の子どもの特徴やそれぞれの時期の子どもへの働きかけ等を探り、親としての役割を認識するとともに、 健全な子どもの育成の在り方を学び、家庭教育の支援に役立てる。
12 保護者との協働に向けて


 生徒指導係長 山 本 雅 章
   指導主事 松 長 一 樹
   指導主事 山 本 肇 一
   指導主事 清 原 正 泰
   指導主事 本 影 隆 志
 「子どものトラブルなどを巡って理不尽な要求や無理難題を突きつける保 護者に、学校が悲鳴を上げている」といった報道がよくなされている。理不 尽な要求とまではいかずとも、保護者や地域社会の学校をみる目は変容して きた。ともすれば、子どもそっちのけの議論に終始し、問題の本質を片隅に 追いやった形での対応に奔走し、学校の業務に支障が出るケースもある。し かし、理不尽な要求であるという受け止め方ではなく、保護者の要望や要求の本質がどこにあるのかを見極め、学校 として責任を負うべきこと、場合によっては謝罪も含めて誠意をもって対応し、責任の負えないことに関しては毅然 とした対応をすることが必要である。
 そこで、理不尽な要求への対応を含め、保護者や地域社会の要望や期待に対して、学校や教職員と保護者と協働し て子どもたちにかかわっていく取組を取り戻すための要点について、事例を基に考察した。


研 究 集 録
T 奈良県立教育研究所長期研修員の部

研究の概要
1 国語科教科書教材の効果的な指導方法

長期研修員 渡 邊   章
 高等学校の国語科で、従来取組が低調であるとされてきた「話すこと・聞くこと」の指導に重点を置き、教科書教 材を効果的に活用した指導方法を考えた。これまで教師主導型の傾向にあった授業から生徒が主体的に考え行動する 授業へ改善することによって、現行の学習指導要領の基本的なねらいである「生きる力」の育成を目指す。
2 知的好奇心や探究心をはぐくむ理科教材の開発

長期研修員 赤 木 紀 公
 中学校理科において生徒がつまずきやすい学習内容を調査し、つまずきの原因を把握することにより生徒の知的好奇 心や探究心をはぐくむ教材を研究開発した。各単元においてイメージしにくい現象や概念を視覚化する教材、一人一 人が実験に取り組める教材、日常生活と関連付けた教材を開発し、研究授業を通してそれらの効果を検証した。
3 体験活動を生かした子どもの心に響く道徳の授業
−豊かな勤労観や生命を尊重する心の育成を核として−
長期研修員 中 川 秀 男
 勤労観や生命を尊重する心を子どもにはぐくむために、それらについて考える基となる学校における体験活動を整 理、分析した。さらに、子どもがそれらについて自分のこととして、より実感をもって考えることのできる道徳の授 業の在り方について考察した。
4 組織を活性化させる学校評価システムの在り方

長期研修員 竹 林   徹
 学校評価を「やってよかった」とすべての教職員が実感できたとき、学校改善や組織の活性化へとつながっていく。 そのためには、「無理なく」「無駄なく」「前向きに」取り組む学校評価を核として、各学校の現状や取組の段階に 応じた評価システムを構築していくことが重要である。


研 究 集 録
U 奈良県教育委員会指定研究員の部
A.プロジェクト研究

研究の概要
1 特別支援教育の在り方
 −高等学校における校内支援体制−

県立法隆寺国際高等学校 教諭 森 川 与志夫
県立登美ケ丘高等学校 教諭 大 東 喜久子
 
2 小学校における英語活動の指導の在り方
奈良市立都跡小学校 教諭 菊 山 清 美
桜井市立織田小学校 教諭 紙 谷 佳津余
大和高田市立菅原小学校 教諭 山 添 華 代
五條市立宇智小学校 教諭 河 本 順 子
 
3 学校カウンセリングの進め方
−児童生徒の発達段階に応じた効果的なカウンセリングの実践的研究−
下市町立阿知賀小学校 教諭 熊 谷 啓 子
斑鳩町立斑鳩中学校 養護教諭 藤 嶋 祥 子
県立五條高等学校 教諭 生 野 悦 子
 
4 中学校における学ぶことへの関心・意欲を高める指導
社会 理科 美術 技術・家庭
王寺町立王寺南中学校 教諭 札 辻 リ カ
大和高田市立片塩中学校 教諭 中 井 義 勝
橿原市立橿原中学校 教諭 西 村 拓 司
田原本町立北中学校 教諭 岡 本 徳 子
 


研 究 集 録
U 奈良県教育委員会指定研究員の部
B.個人研究

研究の概要
1 魅力と活力のある学校経営
−その実現に向けての教員のメンタルヘルスについて−
県立畝傍高等学校
 教諭 平 井 正三郎
2 新しい学校事務の在り方を探る
−学校予算の「効果的な執行」を目指して−
香芝市立志都美小学校
 主査 逸 ア さなえ
3 協同的な学びを育てる保育の在り方

生駒市立あすか野幼稚園
 教諭 三 石 ゆ か
4 魅力的な道徳の授業を進める指導の工夫

生駒市立上中学校
 教諭 石 本 吉 孝
5 主体的・実践的な力を育てる特別活動の指導の工夫
−自分たちの力でよりよい学級づくりを目指す話合い活動−
大淀町立大淀緑ヶ丘小学校
 教諭 小 林 一 實
6 子どもの確かな人権意識を育てる学習について
−みんなで輝くために−
県立青翔高等学校
 教諭 奥 部 真 二
7 豊かな人間性を培う家庭教育の推進
−親子アンケートを基にした家庭教育支援−
橿原市立畝傍中学校
 教諭 山 野   薫