平成26年度 SSP講演会(3)

第5回講演 「昆虫の感覚、人間の感覚」

京都大学大学院 農学研究科 講師 手嶋 伸 先生


 まず、講演全体のあらすじを示し、話の流れを明確にしていた。それによると、

  1. 生物の行動と感覚情報の利用
  2. 人間の場合はどうなのか
  3. 昆虫の場合はどうなのか
  4. 研究のおはなし 

である。1.では、生きていくために動物で共通して見られる行動は、採餌・逃避・繁殖であるという話から始まり、いくつかの具体例を挙げながら、刺激と行動について述べられた。

 2.では、京都市動物園のヒトの檻の話題から入り、五感と食物、例としてスクロースやソラニンのことなどに触れ、さらに視覚定位、音響定位の実験の紹介があった。

 4.では、いくつもの実験を示し、昆虫の感覚と行動の研究と成果に触れていた。この中で紹介された、アリの経路積分を確かめる実験に興味を持った生徒が多かった。

 

生徒の感想から
  • 「全体的に基本的なことではあったが、考えれば考えるほど高度になっていった。」とい感想からは、プレゼンテーションの巧みさがうかがえる。
  • 「大学ではとことん研究し、答えを探しているということがよく分かりました。私ももっと真剣に何について研究したいか、考えたいです。」
  • 「使用されている図が高度だった。すべての疑問に対して実験が行われていることをあらためて感心した。」という感想では、科学の研究姿勢を感じ取ったと思われる。
  • 「どの話も興味深かった。経路積分や昆虫の話が特に興味かった。ずっと進路について悩んできたけれども、今日の講演で決意が固まったと思う。」では、研究者をめざす意気込みが感じられる。

 講演の内容はわかりやすく、なおかつ研究の楽しさや奥深さを教えられた意義深い講演であった。

 

 

第6回講演 「広告・クリエイティブという仕事」 

(株)電通 関西支社  田中 真輝 先生

 日本を代表する広告代理店で活躍されている本校OBの田中様からお話を伺った。

 まず、CMプランナー・コピーライターの仕事は、TVCM・ラジオCM・ポスター・新聞広告・雑誌広告・WEB広告といったさまざまな種類の広告の制作であるということを紹介された。

 CMを敬遠する生活者と、商品を売りたい企業側の気持ちをつなぐのが広告代理店の役割であるというお話をされ、例としてTVCMができるまでの主な行程を説明された。

 その中では、実際に完成したCMを上映され、また、CMに起用した有名タレントのエピソードも織り交ぜ、和やかな雰囲気の中での講演であった。その後、広告を作る仕事の面白さとは何か?という話題になり、その問いには、「鮮やかに、全く違う視点から解決策が見つかったときの感覚。そして、そういうものを見たときの感覚」という言葉で答え、さらに、その感覚を「ぐるん。」という独特の言い回しで表現された。

 田中様にとって、広告という仕事は、「ぐるん。」のための尽きない課題なのだというお話で締めくくられた。

 

生徒の感想から

 ほぼ全員の生徒が、「わかりやすかった」、「興味がもてた」とアンケートで回答している。内容について、「高度な内容だった」という回答をしている生徒もいたが、説明・プレゼンテーションの仕方によってわかりやすい内容の話になったものと思われる。

 田中様は本校OBであり、高校時代の話も交えて親しみを持つことができ、最後までまったく飽きることなく、あっという間に時間が過ぎていった。

 「スタッフには文系・理系両方の出身者がいるが、文系+理系の融合が新発想を生む。」というお話や、「あえて違う視点から考える。」「悩んだときに逆から考えていく」という言葉は、生徒の印象に残ったように思われる。

 質疑応答でも、いろいろな質問が多く出るなど、終始熱気にあふれる講演会で、終了後も残って質問する生徒も多かった。生徒にとって、とてもプラスになる話をたくさんしていただき、希望に夢を膨らませることのできる、得ることの多い講演会であった。