平成29年度 SSP講演会(3)

第5回講演 「方程式を図で解くはなし」

大阪大学大学院 理学研究科数学専攻 助教 小川 裕之 先生

 最初に高校での数学のカリキュラムはとてもよく考えられているため、しっかりと基礎から学習していけば、大学での数学に十分生きていくということを教えていただき、励ましてくださいました。

 ご講演では、「方程式とは何か、それを解くとはどういうことか」について教えていただきました。「方程式」とは、いくつかの対象について述べた等式や命題などのことであり、そういう意味では、理系分野だけでなく文系分野にも現れるものです。そして「解く」とは答えを見つけることだけでなく、応用のために必要な情報を得ることです。

 次に、2次方程式の解の公式を証明していただいた後、定規とコンパスを使って2次方程式を解く原理を説明していただきました。相似の関係にある直角三角形の辺の比を使って2乗を意味する作図や、そこから平方根の作図も可能になります。

 その後、方べきの定理を解説して頂き、この定理を使うと見通しの良い解の作図ができることを教えていただきました。さらに「解と係数の関係」と方べきの定理により、定規とコンパスを使った作図で2次方程式の解が求められることを教えて頂きました。
 そして、最後に2次方程式の問題を出していただき、参加した生徒たちはそれを作図により解を求めようと懸命に努力していました。

 

講演概要

 今日は「方程式を解く」ということについてお話します。

 そもそも「方程式」とは何でしょう。

 x、yなどの文字(変数)を使った4x=6とかy2=x3とか3-2y=1の様な等式や,それらの組(連立)が思い浮かびます。四則演算の範囲を超えて、数学Ⅱ,Ⅲで習う三角関数,指数・対数関数,微分・積分など,難しい概念を使った「方程式」がたくさんあります。

 「方程式」とは「幾つかの対象の性質・特徴について述べた等式(命題)およびそれらの組」です。この意味で「方程式」は我々数学者の扱う数学だけでなく、科学・工学・医学などの理系分野、経済・政治・文学などの文系分野など、あらゆる分野に現れます。

 「解く」とはどういうことでしょう。素朴には、答えを見つけること、「方程式」を成り立たせる値を求めたり、既知の対象で表すことです。しかし、様々な分野における「方程式」の多くは明確な答えを得ることが難しく、このような「解き方」ができません。「解く」とは本来、応用のために必要かつ十分な情報を得ることです。

 今日は、1変数代数方程式(ひとつの変数の多項式(整式)で表された等式)の解(その等式を成り立たせる数)について理解を深めることについてお話しします。

「方程式を図で解くはなし」より


生徒の感想から
  • 2次方程式と図形という関係なさそうなものが方べきの定理でつながっていたことに大変興味がもてた。
  • 図形や解の公式など身近に学習している内容によって説明してもらったのでわかりやすかった。
  • 数学の奥深さに触れることができ、興味がわいてきた。

等の感想が多く、とても有意義な講演会でした。 

 

 

 

第6回講演 「振り子から見る現代物理:カオスと同期現象」

九州大学坂上貴洋先生