平成29年度 学校いじめ防止基本方針

                               奈良県立ろう学校  

 1.はじめに(学校の方針について)
 本校は、聴覚に障害のある幼児児童生徒が、可能性の伸張を図り積極的に協力協調しながら主体的に生きる・思いやりや感謝する気持ちを表現できる・目標に向かって地道に努力し粘り強くやり抜くことができる力を身につけるために、校訓「自立・礼儀・希望」のもと教育を進めている。
しかし、いじめは幼児児童生徒の教育を受ける権利を著しく侵害するとともに、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命又は身体に重大な危険を生じさせる恐れがあるものであり、本校の教育方針に著しく反する行為であると認識する。
よって、すべての教職員は、いじめを重大な人権問題であり、決して許すことのできない行為であるとの認識のもと、学校教育全体を通して、幼児児童生徒一人一人に「いじめを決して行わない」、「いじめを決して許さない」ということを認識し、そのことを実践できる資質を養い、「いじめのない学校」づくりをめざすものである。
そのために、いじめ対策委員会でのいじめ未然防止等に対する会議をはじめ、各学部や生徒指導部会等でいじめ未然防止のための情報交換、並びに校外の各種会議や研修会等で得られた、いじめに関する情報伝達を行うことで、日常的にいじめを意識し、見抜き、対応する態度を整える。
 また、定期的な情報伝達に加え、新着任研修会やいじめに関する教職員研修会、人権教育研修会等により、積極的かつ組織的に対処できる資質の向上を行う。
教職員はいじめを決して許さないという決意のもと、これまで同様に、幼児児童生徒の実態把握を欠かさず適切な関わりと指導・支援等を行うや特別活動・道徳・自立活動の年間指導計画作成・実施・反省、「いじめ撲滅キャンペーン」、情報モラル講演会、人権講演会、ひびき祭(文化祭)での人権展示発表等により、幼児児童生徒の人権意識の向上と啓発を進める。
 教職員は、様々な取組を通して、いじめの問題への理解を一層深め、常に対応力を向上させるよう研鑽するとともに、すべての教職員が組織的に取組を進めることにより、学校生活の中で、幼児児童生徒が明るく生き生きと活動できる環境づくりに努める。
 
 
2.いじめの問題に関する基本的な考え方
   本校は、聴覚に障害のある幼児児童生徒が通学する県内唯一の特別支援学校であるため、12年間以上在籍している生徒も少なくない。そのため、すべての幼児児童生徒が兄弟姉妹のような関係で先輩後輩の意識は薄く礼儀不足といったこともあるが、学校全体の雰囲気はアットホームで仲がよいのが特徴である。
 また、幼稚部より本校に在籍している児童生徒の多くが地域の学校での生活経験が少ない。そのため全体的に素直で年齢よりも幼い面がある。
 しかし、近年、情報機器の発展やインクルーシブにより中高等部より本校を選択する生徒が増えたこと、複雑な家庭事情を抱える幼児児童生徒の増加等により、気になる事象や今までにない    課題も起こってきている。
  本校では、「いじめはどの子どもにも、どの学校にも起こり得るものである。」「いじめの加害者 ・ 被害者は入れ替わることが起こり得るものである。」という認識のもと、アットホームな学校ではあるが、遊び感覚から起こる友達間のトラブルや経験不足による社会規範から外れた行為、障害が起因と考えられる日常のストレスによる問題等が原因でいじめが起きないように、「いじめは決して許されることのない重大な人権侵害である。」「加害者や被害者になりそうな子どもを   発見・予見して対応しようとするのではなく、常に子ども全員に注意を注ぐとともに、全員を対象   とした取組を行う。」「些細な事と判断せず、いじめを見逃さない。」「校外で起こるいじめもある   ことから、日ごろから家庭・地域・関係機関等と密接に連携した取組を行う。」といったことを検    証しながら、いじめの未然防止・早期発見・対処・再発防止の策を講じるため、すべての教職員が相   互確認しあいいじめを決して起こさないために、以下の指導体制を構築し取り組む。
 
 
3. いじめ防止のための体制等
(1) いじめの防止等のための組織及び日常の指導体制
いじめの未然防止・早期発見・対処等に関する措置を実効的に行うため、管理職を含む複数の教職員及び外部の専門的な知識を有する関係者により構成される組織を別に定める。なお、常設する組織「いじめ対策委員会」が、円滑に機能するよういじめに関する状況(疑いも含むに応じて情報収集の目的の組織として「いじめ初動会議」を臨時的に設置する。
                          
(2) いじめの未然防止及び早期発見のための年間指導計画等
 いじめの未然防止の観点から、学校教育活動全体を通じて、いじめの未然防止に関する多様な取組を組織的・計画的に行うため、いじめへの対応に係る会議、教職員の資質能力向上を図る研修、いじめの未然防止並びに早期発見の取組などの年間の指導計画を別に定める。
いじめが教職員が気付きにくいところで行われ、潜在化しやすいことを認識し、教職員は幼児児童生徒の些細な変化を敏感に察知し早期発見するためにチェックリストやアンケートを別に定める。
 
                     
4.いじめの問題への組織的対応等
   いじめに関係する情報(疑いも含む)を把握した場合やいじめを認知した場合は、情報の収集と記録、情報の共有、いじめの事実確認を行い、迅速にいじめの解決に向けた組織的対応を別に定める。          別紙資料 組織対応の流れ参照
情報の収集と記録、情報の共有、いじめの事実確認については、「個人別生活カード」を活用し進める。      
                         
 (1) 未然防止
 いじめ問題は、多くの幼児児童生徒が被害者並びに加害者になったという事実を深刻に受け止めることが重要である。加害者・被害者を特定及び予見して対応することが極めて困難であり限界があることを理解し、すべての幼児児童生徒を対象に未然防止に取り組む。
                          
(2) 早期発見
 いじめ問題は、教職員が気付きにくい時間や場所で行われたり、教職員がいじめと判断しにくい形態で行われたりするることも多いため、些細な兆候も見逃さず、速やかにいじめ(疑いも含む)行為を認知する。
                   
(3) 早期対応    
 いじめ(疑いも含む)発生時は、特定の教職員で抱え込むことなく組織的対応を行う。被害児童生徒を徹底して守り通すという姿勢で対処するとともに、加害幼児児童生徒に対しては教育的配慮のもとき毅然とした態度で指導を行う。
 
(4) 再発防止
 いじめは再発しやすいことから、被害並びに加害幼児児童生徒への継続的な指導・支援や周囲の幼児児童生徒も含めたよりよい関係づくりを重ね、安易に解決したと判断せずに対応をし続ける。
 
 
5.重大事態への対応
 (1) 重大事態とは
 いじめにより幼児児童生徒の「生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑い」「相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑い」があることを重大事態と認識する。
よって、身体に重大な傷害を負った場合、金品等に重大な被害を被った場合等。また、「相当の期間」については、年間30日を目安とする。一定期間連続して欠席しているような場合には、適切に調査・報告を行い、校長が判断する。
 また、幼児児童生徒や保護者からいじめられ重大事態に至ったという申立てがあったときは、校長が判断し、適切に対応する。
 
 (2) 重大事態への対応
 校長が重大事態と判断した場合、直ちに、県教育委員会に報告を行うとともに、校長がリーダーシップを発揮し、学校が主体となって、いじめ対策委員会に専門的知識及び経験を有する外部の専門家である保護司、及び人権擁護委員等を加えた組織で調査し、事態の解決にあたる。なお、事態によっては、県教育委員会が設置する重大事態調査のための組織に協力し、事態の速やかな解決に向けて対応する。
 
 
6.その他の留意事項
 本校は、これまで同様に情報発信に努め、「学校いじめ防止基本方針」についても、学校評議員会や育友会をはじめ幼・小・中・高の各懇談会や家庭訪問等あらゆる機会を利用して保護者や地域への情報発信に努める。
 また、いじめ防止等に実効性の高い取組を実施するため,学校の基本方針が、実情 果的に機能しているかについて、「いじめ対策委員会」を中心に点検し、必要に応じて見直す。
学校の基本方針の見直すに際し、学校全体でいじめの防止等に取り組む観点から幼児児童生徒の意見を取り入れるなど、いじめの防止等について幼児児童生徒の主体的かつ積極的な参加が確保できるよう留意する。また、地域を巻き込んだ「学校いじめ防止基本方針」になるように、保護者等地域からの意見を積極的に聴取するように留意する。